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「ロビンソン物語」の社会的背景(2)

                                  名城大学 経済学部経済学科 小泉透

都市の手工業者が14世紀後半あたりから15世紀にかけて急激に農村地方へ流出し始めそれが極限に達するのが「ロビンソン・クルーソウ漂流記」が刊行された頃。そして、新しい近代的工業都市が農村工業の凝縮点として生まれつつも代わりに封建時代に栄えた中世都市がほとんど衰退していった。現代では、都市から地方に行く人もいるが地方から都市に行く人のほうが多いので現代とは全くの逆になっている。
スウィフトとデフォウの違いは、スウィフトは中産的生産者層の生活態度にエゴイズムの面がまとわりついていたことは否定しようがない。一方で、デフォウは「ロビンソン・クルーソウ漂流記」のなかではそういう点にはあまり触れず中産的生産者層の行動様式に見られる良い面ばかり描く。そして、「ロビンソン・クルーソウ漂流記」は当時のイギリスで、人間形成の書として、大きな働きをした。その本があるので今のイギリスがあると思う。
ロビンソンは優れた経営者であり、忠実な労働者であった。ロビンソンは孤島での生活はたった1人のいわばワンマン・ビジネスですから彼が優れた意味での経営者的資質をみごとに身につけていることがわかる。
社会的モデルは当時のイギリスの中産的生産者層に属する人々で、ロビンソンはその理想像だった。つまり、現実の中産的生産者層決定的部分をなす人々はさまざまな個人的夾雑物の付加されたロビンソンだった。
ロビンソン的人間類型がどういう文化的意味を担ってきた2つに分けて考える。1つ目は、重商主義政策が実行されたことによって工場制度が一般化されたこと、そして、「イギリスが世界の工場」となったこと。2つ目は、経済学の理論は、実はロビンソン的人間類型を前提として成立している。
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